CC0の日本語版が公開されました

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クリエイティブ・コモンズから、著作権を可能な限り放棄するというツール「CC0」の日本語版が公開されました。

CC0 1.0 全世界 (CC0 1.0)
パブリック・ドメイン提供

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パブリックドメインとして提供

CC0とは、できる限りの著作権を放棄することで「パブリック・ドメイン」として提供するという意思表示になります。
これにより、このCC0で提供される作品は権利者の許諾がなくても複製、改変・翻案、配布、上演・演奏ができるようになります。
もちろん、非営利目的に限らず、営利目的であっても利用できますので、企業のホームページなどでも権利者に許諾を求める必要が無く手軽に利用できます。

利用する側にとってはとてもうれしいライセンスですし、著作権者側としても自分の作品をより多くの人や場面で使ってもらえるようになります。

ただ、何でも自由にできるわけではなく、注意しなければならない点もあります。

著作権以外の権利にも注意

パブリック・ドメインで提供されたとしても、他の権利から問題となる可能性はありますので注意が必要です。
企業のロゴなどが関係するような作品では商標権、人物が関係するような作品ではパブリシティ権や肖像権といった権利が主なものです。

特定の人物が写っている写真がCC0で提供されていたとしても、その写っている人物の肖像権まで放棄されているとは限りません。
作品の提供者に連絡がとれるようであれば肖像権について確認し、確認できないようであればその写真の使用を控えた方が賢明かも知れません。

著作権にも注意する必要がある?

「自由に利用できるはずなのに、なんで著作権についても注意する必要があるの?」

と感じるかもしれませんが、実は留意するポイントがあります。

その1つが、「著作者人格権」。
CC0のライセンス証概要には、次のようにあります。

ある作品に本コモンズ証を関連づけた者は、その作品について世界全地域において著作権法上認められる、その者が持つすべての権利(その作品に関する権利や隣接する権利を含む。)を、法令上認められる最大限の範囲で放棄して、パブリック・ドメインに提供しています。

”法令上認められる最大限の範囲で放棄”ですから、法令上認められない範囲については放棄できないことになります。
その法令上放棄できないもの筆頭として、著作者の一身専属権であり譲渡も放棄もできない著作者人格権があります。
著作権を放棄してパブリック・ドメインにするのも、著作者人格権を行使するのも多くの場合著作者本人であるため、実際には著作者人格権が問題となるケースは少ないと思いますが、「放棄はされていない」ことは知っておいた方が良いと思います。

もう一つが、CC0を付与した作品に、CC0ではない著作物が含まれているような場合です。
例えば、他人が作った曲(作曲者は権利放棄していない)に対して勝手に歌詞をつけてCC0として公開されている楽曲があり、それを動画のBGMとして利用したような場合、作曲者から権利侵害を申し立てられる可能性があります。
CC0で公開されていた楽曲なのにメロディーはCC0ではないということは気がつきにくいですし、防ぐことも難しいですが、こういった事例もあり得るということは知っていても良いかもしれません。

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