著作者の権利(2):財産権としての著作権【詳細】

複製権

英語では著作権のことを copyright と書きますが、その表記の通り「copy(複製)」の「right(権利)」ということで、著作権における最も代表的な権利がこの「複製権」です。
簡単に言えば複製、つまり著作物のコピーを作成することができる権利で、文章や写真などをコピー機でコピーすることはもちろん、テレビ放送を録画する、ライブ演奏を録音する、小説を手書きでノートに書き写す、といったことも含まれます。

≪広告≫

上演権、演奏権

創作した脚本にて演劇を公に上演したり、創作した音楽を公に演奏する権利です。
この「公に」とは「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として」いる場合のことで、公衆とは不特定の者だけではなく特定の多数を含みます。
つまり、特定の少数である場合は上演権や演奏権は働きません。

また、上演や演奏には、生のパフォーマンスだけではなく、録画や録音したものを再生することや、その上演や演奏を電気通信設備を用いて伝達することも含まれています。
よって、CDを再生したり、コンサートホールでの演奏を別会場でパブリックビューイングのような形で見せることに対しても、上演権や演奏権が働きます。

上映権

著作物を映写幕その他の物に映写することができる権利です。
以前は映画の著作物のみに認められていた権利ですが、現在はすべての著作物に認められており、写真や美術作品のような静止画でもディスプレイに表示して公衆に提示するような場合にも働きます。

公衆送信権

公衆送信とは条文では「公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線通信の送信を行うこと」ですが、簡単に言うと、テレビ、ラジオなどの放送や、ケーブルテレビ、有線ラジオ放送などの有線放送で送信する権利ということになります。
また、インターネット上のサーバーなどにアップロードするなどにより放送や有線方法以外の方法で公衆に送信することを「自動公衆送信」といい、自動公衆送信できる状態にすることを「送信可能化」といいます。
実際に著作物が公衆送信されていなくても、この送信可能化した時点で公衆送信権が働くことになっています。

市販DVDなどの映像作品をYouTubeに勝手にアップするなど、ネット上での著作権侵害といえば、複製権の他にこの公衆送信権侵害に該当するものが多いです。

また、ホームページ制作においても、ホームページを公開する場合はこの公衆送信権と送信可能化が問題となりますので、発注者と受注者で正しい契約を交わしておく必要があります。
※参考: Web制作関係者も注意!ホームページ制作と著作権

公の伝達権

前項の公衆送信権により公衆送信される著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利です。
具体的には、公衆送信されたライブの模様を大型テレビで映すといった場合なのですが、実際にはこの伝達権が問題となるケースは少ないようです。
(大幅な例外が認められているため)

口述権

自分の言語の著作物(小説、論文、講演など)を公に口頭で伝達する権利で、直接に朗読などする場合に限らず、その朗読を録音したものを公に再生するといった場合にも該当します。

展示権

美術の著作物または未発行の写真の著作物の原作品を公に展示する権利で、これらの著作物の原作品にのみ認められている権利です。

頒布権

頒布(はんぷ)とは著作物を公衆に譲渡または貸与することで、有償か無償かを問いません。
著作権法では、特に映画の著作物に対してこの頒布権を認め、公衆ではない特定少数に対しての譲渡または貸与であっても、公衆への上演を目的としている場合は頒布にあたる、としています。

なお、譲渡権に認められている消尽という考え方ですが、法文上は頒布権に対しては認められていません。
ですが、公衆に提供することを目的としていない譲渡、例えばゲームソフトや映画のDVDなどについては、判例により譲渡権と同様の消尽が認められています。

譲渡権

公衆に対して著作物を譲渡する権利ですが、先述の「頒布権」の中に譲渡の概念が含まれているため、映画の著作物は除かれます。

譲渡権には「消尽(しょうじん)」という考え方が認められており、一度適法に譲渡された著作物に対しては、その後の譲渡には譲渡権が及ばないものとされています。
これにより、例えば読み終えた本を古本屋に売ることもできますし(本を販売した時点で適法な譲渡が行われ、譲渡権が消滅する)、例えば作曲家Aさんが作っ た曲をBさんに譲渡し、さらにBさんがCさんに譲渡する場合は、A→Bの譲渡にはAさんの譲渡権が及びますが、B→Cの譲渡に対してはAさんの譲渡権は及 びません。

貸与権

公衆に対して著作物を貸与する権利です。
譲渡権と同様、頒布権には貸与の概念が含まれているため、映画の著作物は除かれます。

翻訳権、編曲権、変形権、翻案権

翻訳したり、編曲したり、変形したり、翻案したりして、新たに別の著作物(二次的著作物)を作る権利です。
翻訳とは一般的な意味と同様、例えば日本語を英語にするなど、言語の著作物について他の国の言葉により表現することです。
なお、標準語を方言にする、暗号文を解読する、といったものは翻訳ではなく複製になると考えられています。
編曲も、一般的な意味と同様で、ロック風の曲をジャズ風にする、メロディーに伴奏をつけるなど、音楽の著作物に対しての改作をいいます。
変形とは、他の表現形式に変更することで、絵画を彫刻にするといった場合に該当します。
最後に翻案とは、内面を維持しつつ別の表現方法にて表現することで、例えば小説を映画化したり、パソコン用アプリなどのバージョンアップも該当します。

二次的著作物の利用権

翻訳や編曲などにより創作された二次的著作物については、その翻訳者や編曲者がその著作者となりますが、その二次的著作物の原著作物の著作者も、二次的著作物の著作者と同等の権利をもっているということになっています。

よって、例えばAさんの小説を映画化した作品をDVDで販売する場合、DVD販売業社は映画の著作者に複製の許可をもらう必要がありますが、同時に原作品の著作者であるAさんにも、複製の許可をもらう必要があります。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存