選挙ポスターの写真をブログ等にアップするのは著作権的にどうなのか?

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ただいま統一地方選の真っ只中で、当事務所の前も選挙カーが行き交っているところですが、選挙戦といえば目に入るのが各候補者の「選挙ポスター」。

特定の候補者を応援したり、あるいは他の目的でこの選挙ポスターを写真に撮ってホームページやブログに載せたいというケースもあると思いますが、この選挙ポスターというものは著作権法で保護される著作物なのか?
著作物であった場合は、各候補者や選挙管理委員会といったところに許諾をもらう必要があるのか??

ざっと調べたところではわからなかったので、東京都選挙管理委員会に電話で問い合わせてみました。
(選挙期間中で忙しいにも関わらず、とても丁寧に対応していただいた東京都選挙管理委員会には感謝いたします。)

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そもそも著作物なのか?

・・・これがハッキリとしていませんが、たぶん、著作物であるようです。

”たぶん”なんて、いきなり曖昧な内容となってしまいましたが、それにはこんな理由があります。

まず、私が問い合わせてみたのは「選挙管理委員会」で、著作権の専門機関ではありませんし、著作権の面から選挙ポスターを管理するということもありません。

今回の選挙ではある区議会議員候補のポスターが話題となりましたが、掲載する写真などについても特に審査は無いようですね。

また、これまで選挙ポスターの著作物性について争われたことが無いため、判例もありません。もちろん、著作権法には選挙ポスターが著作物だとは書いてありません。
ですので、著作物かと言われて明確にYesかNoかを判断する根拠が無いためです。

確かに、選挙ポスターと言えば、候補者の顔写真と名前、所属政党名、そして短く一言が添えてあるという形式が一般的で、それ自体は”思想または感情を創作的に表現したもの”とは言えない、つまりありふれたものだと言えます。

ただ、顔写真については、それを撮影したカメラマンがいるはずで、写真についてはカメラマンの著作権は発生しているものと考えられますが、何枚も複製される選挙ポスターに使われるのですから、当然何らかの権利処理は行われているのではと思います。
この点から考えると、著作物である可能性が高い、と言えるのではないでしょうか。

選挙ポスターを撮った写真をホームページやブログにアップするのはOK?

選挙ポスターが著作物であるならば、通常は写真を撮って(=複製)サイトやブログにアップする場合に著作権者に許諾をもらう必要がありますよね。

この点については、基本的には無許諾でも問題無いとのことです。
ただし公職選挙法の規定は守る、という前提です。
(※連絡先を表示する、メールはダメ、など。)

2013年に公職選挙法が改正され、いわゆるネット選挙が解禁されたことで、政党や候補者だけでなく、一般有権者もネット(ホームページ、ブログ、SNSなど)を使った選挙運動を行うことができるようになりました。

そのため、公職選挙法に違反しない限り、選挙運動という扱いで選挙ポスターの掲載を行うことができるようです。
これは特定の候補者を応援するだけではなく、誹謗中傷ではなく公序良俗に反しない正当な内容であれば批判するものでも構わないとのことです。

候補者サイドも、選挙ポスターは不特定多数の人に見られる事が前提で作成しているものであり、また”応援”という位置づけで、それがブログ等への掲載という形で複製されても容認するというのが実状のようです。
(※厳密には著作物である可能性が高いので許諾を求めた方が良いですが、選挙期間中にいちいち掲載可否の問い合わせを受けていては候補者事務所も困ってしまいますよね。)

なお、注意しなければならないのは、選挙ポスターを掲載しているサイトやブログなどのページを印刷して配付してはいけない、という点です。
これをやってしまうと公職選挙法違反となります。

選挙運動以外に利用するのであれば許諾とるべき

上記は選挙運動と解釈される場合ですが、それ以外の利用、例えば複数の人のポスターをまとめて書籍として出版するといった場合には、各候補者から許諾をもらう必要があるようです。

多くの候補者のポスターが並ぶ掲示場でも少しでも目立つようにと、デザイン的に工夫しているポスターも少なくありません。

正当な範囲で利用し、選挙への関心がアップしていくと良いですね。

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