著作権の特徴

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手続き不要!自動的に付与される無方式主義

知的な創作活動によって創り出した人に対して付与される「知的財産権」のうち、特許、実用新案、意匠、商標は「産業財産権」と呼ばれますが、これらの権利とは異なり、著作物が創作された時点で自然に当然に付与される、という点が著作権特有の特徴となります。
これを「無方式主義」と言います。

1899年(明治32年)にベルヌ条約(文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約)を締結してから、日本はずっと無方式主義をとっています。

産業財産権などは関係機関に対して申請や登録の手続きを行うことにより付与される権利ですので、それらとは根本的に考え方が異なります。そういった点では、著作権というものは知的財産権でありながら、ちょっと変わった権利のようにも感じられますね。

コピーライトマークは不要?

著 作権の権利者を表すマークとして、丸の中にCを書いた「コピーライトマーク」(マルシーマーク) © が使用されますが(当サイトでも記載していますが)、現在は日本だけでなく世界中のほとんどの国で無方式主義が採用されており、著作権の発生に登録などの 手続きが不要となっているため、このマーク自体に法的な意味はありません。

マークがあっても無くても著作物であれば日本国内だけでなく世界のほとんどの国で保護されますので、コピーライトマークは単に権利者をわかりやすく表示しているだけ、と考えてよいかと思います。

現在はほとんどの国が先述のベルヌ条約を締結しているため無方式主義が採用されています。

 著作権はバランスが大事

著作権とは著作者にとってとても重要な権利であり、利用者も留意しなければならないものではありますが、著作権法の条文通りに厳密に遵守すべきとされた場合、とても住みにくい社会となってしまう恐れもあります。

例えば、ドライブ中に車の窓を開けながらカーステレオで好きなアーティストの曲を流しながら走っていたら、その曲が周りの不特定多数の人にも聞こえてしまい、それは上演権の侵害だ!とアーティストサイドが訴えてきたら・・・?!

例えば、自分の記事が載った雑誌を田舎の両親に伝えたくて、掲載されたページ(他の人が書いた原稿も載っている)をFAXで送ったところ、両親がそのコピーを近所中に自慢して配っていたら、他の寄稿者から複製権の侵害だ!と訴えられたら・・・?!

両件とも、厳密には著作権法に違反している可能性が高いです。訴えた側が条文的には正しいです。
でも、こんなことでいちいち訴えていたら、また訴えられていたら、とても窮屈な社会ですよね。
実際にはこういった件で訴えられるケースは希で、仮に権利者がこういった事実を知ったとしても、権利行使せずに容認していることが多いと思います。

利用者側の権利と、著作権者側の権利とで、どちらかが不当に自分の権利ばかりを主張するのではなく、ほどよいバランスを保つことが重要なのだと感じています。

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