キャッチフレーズを無断で使ったら著作権侵害となる?

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出典: P.D.(Pixabayより)

ある日突然,英語が口から飛び出した!

広告などにこのようなキャッチフレーズが掲載されることは多いと思いますが、このようなキャッチフレーズは、著作権法で保護される対象である「著作物」となるのでしょうか?

著作権とは文章や絵画、音楽、写真などを作成したときに自動的に発生する権利で、その著作権が及ぶのが著作物ですが、この記事冒頭のキャッチフレーズが著作物であるのなら、キャッチフレーズを作った人(著作者)の許諾無く勝手に利用することはできないですよね。
このようにブログに書くのも、もちろんパクるなんていうのもダメということになります。

この件に関連し、つい先日の2015年3月20日、A社が使用しているキャッチフレーズはB社のキャッチフレーズの著作権侵害だとする裁判の判決が出ました。
※判決文はこちら
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/017/085017_hanrei.pdf

短い表現は著作物とはみなされない場合が多い

一般的には、キャッチフレーズのような短い文章は著作物とは言えないとされています。

それと同様に、この裁判でも、記事冒頭に書いたキャッチフレーズには著作物性が認められないと判断されています。
著作物では無い以上、著作権法では保護されないものとなり、このキャッチフレーズをどこかで使っても著作権侵害とはならない可能性が高い、ということになります。

(※あくまで著作権侵害とならないだけです。場合により他の法律に違反したり不法行為とされる可能性はあります。

また、すべてのキャッチフレーズが著作物ではないわけではなく、ハードルは高いですが著作物性が認められた場合は著作物となり著作権法で保護されますので要注意です。)

なぜ著作物では無いのか?

著作権法第2条で著作物についての定義がありますが、そこでは著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したもの」とされています。

ポイントとなるのは”創作的に表現した”という点で、
ごく短い文章
平凡かつありふれた表現
である場合には、創作的に表現したとは認められない場合が多いです。
キャッチフレーズやキャッチコピーは正にこれに該当し、コピーライターさんが寝る間も惜しんで必死に考えたコピーであっても、著作物とはみなされない可能性が高いです。
(もちろん、すべての場合に該当するのではなく、裁判所の判断では著作物性が否定される場合が多い、ということです。)

短くても著作物とされる場合もあります

ちなみに、キャッチフレーズ同様に短い文章ですが、5・7・5調のスローガンには著作物性が認められた判例もあります。
交通安全スローガン事件。 東京地方裁判所 平成13年5月30日。東京高裁での控訴審も棄却。)
創作性があれば文章が短くても著作物となりますので要注意です。

15/11/13追記:控訴審でも著作物性を否定

2015年11月10日、この事件の控訴審においても、当該キャッチフレーズの著作物性が否定されました。
判決文はこちら(知財高裁 平成27年11月10日判決)(※下記引用はこの判決文より)

キャッチフレーズのような宣伝広告文言の著作物性の判断においては,個性の有無を問題にするとしても,他の表現の選択肢がそれほど多くなく,個性が表れる余地が小さい場合には,創作性が否定される場合があるというべきである

特に広告においてはキャッチフレーズの著作権を主張するのは難しいようですね。

また、コピーライターなどがどんなに苦労して編み出したキャッチフレーズであっても、

著作権法や不正競争防止法は,著作行為や営業行為には労力や費用を要することを前提としつつ,あえてその行為及び成果物のすべてを保護対象とはしていないから,控訴人が指摘するように,キャッチフレーズに労力や費用を要するというだけでは

著作権法や不正競争防止法で保護すべき特段の事情があるとは認められないと判断されています。

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