著作権の保護期間

著作権を保護する期間は無限ではない

著作権や著作隣接権など、著作権法で定められている権利には「保護期間」が定められています。
この保護期間の間は、著作権法によって著作物や著作者の権利が守られる、ということになりますが、逆に言うと、この保護期間を経過すれば権利が保護されなくなる、ということです。

保護期間が過ぎたものはパブリックドメインとして共有財産になり、自由に使うことができるようになります。

これは、著作権者などの権利を守ることを重視する一方で、ある程度の時間が経過した著作物についてはその権利を消滅させることにより、社会全体で自由に使うことができる「共有財産」とすることで、そこからまた新しい著作物が生まれてくることを期待しているものです。

著作者人格権の保護期間

著作者人格権は「一身専属」の権利とされています。
つまり、著作者の死亡(法人の場合は解散)によって権利が消滅し、他人への譲渡や相続はできません。

保護期間:著作物が創作されたときから著作者が生存している間

※著作者の死亡により著作者人格権は消滅しますが、消滅後であっても、著作者の意を害さないと認められる場合を除き、仮に著作者が生存していた場合に著作者人格権の侵害となる行為は行ってはならないとされています。

財産権としての著作権の保護期間

著作権の保護期間は、原則、著作物を創作したときから著作者の死後50年間です。
ただしいくつか例外があります。

【無名、変名の著作物】

公表後50年(死後50年が明らかであればその時点まで)
無名や匿名、本名以外の変名で公表されている著作物は、著作者がわかりませんので死後50年と言われても誰の死後なのかが不明のため計算ができません。
そのため公表されてから50年という規定になっています。
なお、変名であっても、本名が明らかである場合には、著作者の死後50年とされます。

【団体名義の著作物】

公表後50年(創作後50年以内に公表されなかったときは創作後50年)
著作物が法人など団体の名義である場合には、誰の死後50年なのかがはっきりしませんので、公表後50年とされています。
ちなみに、実際の著作者が個人であっても法人であっても、著作者名が団体名義であればこの規定が適用されます。

【映画の著作物】

公表後70年
創作後70年以内に公表されなかったときは創作後70年

実演家人格権の保護期間

著作隣接権の中の実演家人格権については、著作者人格権と同様に「一身専属」の権利とされています。
よって、実演家の死亡より権利が消滅します。
なお、これも著作者人格権と同様に、実演家の死亡後であっても実演家人格権を害するような行為は行ってはならないとされています。

著作隣接権(財産権)の保護期間

実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者ともに、基本的には実演(または発売、放送、有線放送)後50年とされています。
保護の開始時期は、実演、放送、有線放送については実演、放送、有線放送を行ったときから開始されます。
レコード製作者については、レコードの音を最初に録音(固定)したときからとなります。

旧法での保護期間と新法との関係

旧法とは昭和45年(1970年)までの著作権法のことですが、この旧法によって演奏歌唱とレコードは著作権保護されており、保護期間は著作者の死後30年とされていました。

ですが、現行著作権法(新法)では、演奏歌唱とレコードは著作権ではなく著作隣接権として扱われます。
これにより、旧法下での実演または製作レコードについて、旧法での保護期間と新法での保護期間とで差異が生じてしまいますので、旧法での保護期間が新法の保護期間より長い場合は、旧法による保護期間が適用されるという規定になっています。

ただし、この旧法での保護期間が新法の施行日から50年後よりも長くなる場合は、新法施行後50年(=2020年12月31日)が限度とされています。

(例)
歌手Aさん(1985年死亡)が1940年に歌った曲の場合
・新法での保護期間:実演後50年→1990年12月31日まで
・旧法での保護期間:死後30年 →2015年12月31日まで
・新法施行後50年: 2020年12月31日まで
→旧法の保護期間のほうが長く、それが新法施行後50年を超えないため、保護期間は旧法に合わせて2015年12月31日までとなる

歌手Bさん(2001年死亡)が1955年に歌った曲の場合
・新法での保護期間:実演後50年→2005年12月31日まで
・旧法での保護期間:死後30年 →2031年12月31日まで
・新法施行後50年: 2020年12月31日まで
→旧法の保護期間の方が長いが、新法施行後50年を超えるため、保護期間は新法施行後50年の2020年12月31日までとなる

保護期間の計算方法

死後50年や公表後50年といっても、死亡した日や公表した日から50年後、というわけではありません。
著作権の保護期間についての計算の場合、死亡や公表、創作は、それらが発生した年の翌年1月1日が開始日となります。

例えば、2015年6月20日に亡くなった著作者の場合、期間の開始が2016年1月1日となりますので、死後50年とは2065年12月31日までの期間ということになります。

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